丸み面取り


ユーザーK社様の実用例
1、当初はR加工無しダイスを使用しており、修正品の80%以上が端面欠けとなっていた。
(中央部は使用可)
2、端面欠け防止Rのテストを重ねた結果、現在は全てのダイスに採用して頂いており
端面欠けは修正品の10%まで減少、ほぼ寿命近くまで使用されている。
3、ワークの折損強度にも強いことで喜ばれ、現在はRR-S、RR-C、RR-Iを使い分けて頂いている。
4、大幅なコストダウンとなり、大変喜ばれ20数年採用して頂いている。
注意事項
1、ワーク図面にねじ不完全山部の谷R値指定が有る場合、RR-Iは使用不可です。
2、その数値によりRR-SまたはRR-Cをお勧めいたします。
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ザカク用転造丸ダイス
ザカク用転造丸ダイスとは
キャップスクリュー等、頭付きで首下ギリギリまでねじを転造したいワーク用に考案されたダイスです。
下図のように、ワークの首裏面を転造丸ダイスの端面に当てて転造します。
主な目的
1、油、水もれ防止ねじ
首下いっぱいに、ねじを仕上げたいとき。
首裏面に傷をつけたくないとき。
2、その他
転造中の歩み防止による工具の耐久アップに繋がる場合もあります。
ザカク用ダイスの転造例
ザカク用ダイス使用ユーザー様の反応
本ダイスは相当以前より御使用頂いており、現在も多くのユーザー様にリピート注文を頂き納入しています。
【主な目的2、その他】のように、ワークの耐久アップを目的としてリピート注文を頂いているユーザー様もおります。
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用途別転造ダイス
最近、増加しているハイテン材、ステンレスや熱処理(焼人)後の転造に対し、
従来よりHダイスとして特に材判・を吟味し、特別な熱処理を行ったものを製作しておりましたが、
さらに、超ハイテン用としてEダイス及びSUSダイスを開発し、その適用区分を明確化しました。
・ダイス幅:600mm以下
・ピッチ:0.3mm以上
記号 | 区分 | 適応ワーク |
無し(スタンダード) | 一般 | 14HRC以下の鉄鋼材料、非鉄材料 |
H | ハイテン | 15HRC以上31HRC以下の材料 |
E | 超ハイテン | 32HRC以上の材料、加工硬化性の高い材料 |
SUS | ステンレス | ステンレス鋼 |
なお、適用については、ワークの最高硬さにて行います。又Eダイスのご注文に際しては、最適のダイスを製作致しますのでワークの材質、硬さをご明示下さい。
ダイス表面処理(GM・WPC処理)
ダイスの疲労強度と対磨耗性を向上するための処理で、高硬度ワーク※1や太径のワークに効果を発揮します。GM処理はダイスのねじ面を粗く致しますので、異型ワーク(頭が大きい等)のスリップ防止にも効果を発揮します。(※GM・WPC処理には別途費用が発生致します。)
※1.弊社ではHRC43までの冷間転造の実績が有ります。
1. 処理方法
GM・WPC処理共、ダイスのねじ面に微細な粒状物を投射(ショット)することにより、引張応力を取除き圧縮応力を残留させると共に、ダイスねじ面の表面高度を高め、対疲労強度と対磨耗性を向上させます。
2. GM・WPC処理の相違について
基本的には、GM・WPC共に同等の処理方法及び目的を持ったショット処理です。
(粒状物及びショット方法の相違は有ります)
WPC処理の利点として以下のもがあります。
① 粒状物が微細のため、処理ダイスの表面粗さがGM処理に比べ低い。
(ステンレスでフランク面が曇るのを嫌うユーザにて実績あり)
② 転造圧がGM処理と比較し上がりずらい。
(ダイスねじ面の粗さGM処理と比較して低いため転造圧が上がりずらい)
新JIS(ISO)規格用転造丸ダイス
近年、自動車業界を初め新JIS(ISO)規格(4h・6g精度)への切替が進んでおります。
外径・有効径公差等も多少変更がありますが、最大の変更点は強度区分8.8以上のおねじ谷底Rの最小値が0.108P(ピッチ)から0.125P※1と大きくなった事です。
これに伴い弊社に於きましても4h・6g対応製品をご用意致しております。

4h・6g対応用転造丸ダイス形状例
※1.不完全ねじ部のRも0.125P以上が要求されますので、R面取り(RR-S)が必要となります。
特殊山形転造丸ダイス
標準の転造丸ダイスで加工ワークが設計規格に入らない、素材径を細めに製作してしまい有効径がマイナスしてしまった等、お悩みのお客様へ。
弊社は三角ねじ用転造丸ダイスの設計・製造に特化しており、数々の問題に対する経験を多数蓄積しておりますので、是非ご一報下さい。(製品精度上ご要望に添えない場合もございます)
(※「特殊山形」対応は別途費用が発生致します。)

ねじ山マッチング
ダイスのピッチ位相を1/2に合わせる事によりセット時のピッチ合せを容易にするダイスの事をマッチングダイスと呼び、以下の方法が有ります。
①マッチラインタイプ
ダイスAに対し1/2ピッチ分ダイスBの位相をずらした箇所に罫書き線を引いたタイプです。セット時はダイスABの罫書き線を合わせる事によりピッチ合せを行います。
②ピッチ位相合せタイプ
ダイスの加工の段階でダイスAとBの位相を物理的に1/2ピッチ合わせ込んだタイプです。物理的に位相をずらしている為、基本的には罫書き線の刻印は行わず、初回の段取りはキーを基準に行いますが、2回目以降はダイスをセットしただけで大体のピッチが合うようになります。

段取りの簡易化を考慮した場合は②タイプもお勧めいたします。ただし、②タイプを導入した場合は再研磨時も同加工にて行う必要があります。(一度機械の位相をづらすと機能が発揮できません)
また、ダイスの製作公差の関係上100%ピッチが合うわけでは無く、
最終的な微調整は必要となりますので、ご注意下さい。
(※マッチング処理には別途費用が発生致します。)