ADJUSTMENT

簡単なダイス位相のピッチずれ調整方法

・ねじの転造は、2つのダイスが正しく1/2ピッチずれてセットされる必要があります。
ピッチ合せの目安として、両ダイスに合わせラインを刻線した「マッチングダイス」もご要望により
製作しますが、このラインも目安のため、位相の微調整が必要な場合があります。
・ダイスセット段取りでのブランク条痕の位置ずれによる簡単な調整方法を紹介します

ピッチずれ調整方法

ダイス2個のピッチ(位相)合わせは、ダイスをブランクに押し付け回しし、
ブランク上のダイスによる「条痕のずれ量」と「ワークピッチ」から下記計算より
補正角度量(B)を求め、その分の回転量を片側のダイス位相をずらす。

位相補正量(ダイスの合わせ)の計算
B=(E x 360) / (P x N)

B:位相補正量(度)
E:ピッチのずれ(ねじ条痕のずれ)
P:ワークのピッチ
N:ダイスの条数   

(計算例)    M14X2
ピッチのずれ E=0.08mm
P=2mm N=13条の場合

B=( 0.08 x 360) / (2.0 x 13) = 1.1 度

INCONEL

インコネル用ねじ転造丸ダイス

インコネルは耐食、耐熱合金、疲労強度の高い材料でジェットエンジン、ガスタービン、原子力関係他に多用されています。
ねじ部品のねじ加工はボルトの疲労強度上、塑性加工の指示によりねじ転造丸ダイスを使用することが多い。

インコネルは元もとの硬さが硬い上更に転造中のねじ表面の加工硬化も発生し易い材料なのでそれに耐える転造丸ダイスが要求される。
当社ではインコネル用特殊転造丸ダイスも製作していますのでご利用ください。

事例

インコネル用特ダイス
60Dx150幅  2-8UN   300φ以下

HEAT PRODUCTION

 熱間転造用丸ダイス

通常の冷間転造では転造が困難な、ワーク(ピッチ10㎜の台形ねじ等)を加工する場合に用いる方法。

ワークを炉で数百度(赤くなる)まで高温に熱し、軟らかい(逆性し易い)状態で転造加工します。但し、ワーク延び・急冷のため山形精度のばらつき等も発生し易く、不安定な要素も大きいため、ゲージ検査等を行う一般ねじ(M・U)等には不向きとなります。
※赤める手前で熱するのを止め、転造し易くした状態で転造する方法もあります。

転造丸ダイスは熱間転造用の特殊工具鋼やハイス鋼など「耐熱性に優れた」材料で製作する必要が有ります。